フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

墜落制止用器具を用いて行う作業に係る業務に係る特別教育

第24条 安衛則第36条第41号に掲げる業務に係る特別教育は、学科教育及び実技教育により行うものとする。
②前項の学科教育は、次の表の上欄(編注・左欄)に掲げる科目に応じ、それぞれ、同表の中欄に掲げる範囲について同表の下欄(編注・右欄)に掲げる時間以上行うものとする。

・作業に関する知識(1時間)
作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法作業に用いる設備の点検及び整備の方法作業の方法
・墜落制止用器具に関する知識(2時間)
墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法及び選定方法、墜落制止用器具の点検及び整備の方法、墜落制止用器具の関連器具の使用方法
・労働災害の防止に関する知識(1時間)
墜落による労働災害の防止のための措置落下物による危険防止のための措置感電防止のための措置、保護帽の使用方法及び保守点検の方法、事故発生時の措置、その他作業に伴う災害及びその防止方法
・関係法令(30分)
関係法令及び安衛則中の関係条項
・墜落制止用器異の使用方法等-実技教育(1時間30分)
墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法、墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法、墜落による労働災害防止のための措置、墜落制止用器具の点検及び整備の方法

名称が「安全帯」から「墜落制止用器具」へ

なぜ、名称が「安全帯」から「墜落制止用器具」に変わったのか?
ISO規格における用語にあわせて、高所からの墜落時に地面へ激突する前に墜落を制止する「墜落制止」、それに伴った器具として、名称を「墜落制止用器具」と国は定めました。

安全帯から墜落制止用器具へ名称が変更となり、原則としてフルハ一ネス型の使用が義務付けられるなど大きく制度の改正が行われました。

構造規格・JIS規格の主な変更点
☆主な改正点
・原則、ISO規格との整合化
・フルハーネス、ショックアブソーバ、それぞれ耐衝撃性(動的性能)試験が実施される事となった。
・ショックアブソーバの耐衝撃性として、第一種と第二種が規定されました。
☆使用時の注意点
・第一種ショックアブソーバ付きのタイプ1ランヤードを使用する際は、基本的今までと同様となります。ただし、誤った使用方法(質量の超過、フックを低い箇所に掛けて落下距離が大きくなる)などの場合、旧規格ではショックアブソーバが0.66m以上伸びることはありませんが新規格では1.2mまたは1.75mまで伸びる可能性がありますので注意が必要です。
・フルハ一ネス型は、胴ベルト型と比較してD環の高さが高くなりますので、従来と同じ箇所にフック掛けしたとき、その分、落下距離が長くなりますので、注意が必要です。